フリーランス新法、施行1年半で勧告10件・指導1,542件——放送・広告業界への集中指導も
「取引条件、口頭やチャットのやり取りだけで済ませていませんか」——フリーランス新法の施行から1年半が経ち、公正取引委員会の指導・勧告件数は着実に積み上がっています。この記事では最新の実績データを整理し、フリーランス側が今できることを紹介します。
令和7年度の実績:勧告10件・指導1,542件
公正取引委員会が公表した令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の実績によると、フリーランス新法(正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)に基づき、勧告10件・指導1,542件が行われました。
勧告は指導よりも重い処分で、違反が明確な事案に対して行われます。令和7年度に勧告を受けた事業者には、出版業の小学館、音楽教室の島村楽器、婚活サービスの株式会社ZWEI、放送業の株式会社京都放送などが含まれています。業種は様々ですが、共通するのは「取引条件を書面・電磁的方法で明示していなかった」「支払期日までに報酬を支払わなかった」という点です。
放送・広告業界を対象にした集中調査
公正取引委員会は、フリーランスとの取引が多い業種として放送業・広告業を選び、集中的な調査を実施しました。その結果、128の事業者に対して法第22条に基づく是正指導が令和7年10月までに行われています。
対象になった主な内容は、取引条件の書面明示漏れと、報酬の支払期日の未設定・未払いです。契約の「入り口」(取引条件の明示)と「出口」(期日どおりの支払い)の不備が、そのまま処分理由になっている構図が見えてきます。
勧告・指導は発注側への処分。では受注側は何をすればいい?
勧告・指導は基本的に発注事業者に対する処分で、フリーランス自身に新たな義務が課されるわけではありません。しかし、処分の前提になっているのは「取引条件が書面で残っているかどうか」という記録です。
フリーランス側から今すぐ確認できることは、次の3点です。
- 取引条件を書面(メール・PDF・電子契約など)でもらっているか — 口頭やチャットのやり取りだけで進んでいないか
- 報酬の支払期日が明記されているか — 「納品後、追って連絡します」のような曖昧な表現になっていないか
- やり取りを記録として残しているか — 後から条件について認識の齟齬が起きたとき、交渉の材料になる
これらが揃っていない状態は、発注側にとってもフリーランス新法違反のリスクになります。契約書や発注書を整えることは、フリーランス自身を守るだけでなく、取引先にとっても法令遵守の証跡になるという意味で、双方にメリットがあります。
契約書・発注条件をどう残すか
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※本記事はCrewbookが提供する情報です。自社サービスの紹介を含みます。本記事はフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)に関する一般的な情報をまとめたものであり、個別の法務判断については弁護士や所轄の専門機関にご確認ください。記載した実績データは執筆時点(2026年8月)の公正取引委員会公表資料に基づくものであり、その後の状況により更新される場合があります。
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