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2026年10月22日 ・ 約6分 ・ 著者: phi(Crewbook)

日本郵便にフリーランス法の勧告——「支払期日を決めていない」が違反になる理由と、受注側の確認ポイント

「報酬は納品後に追って連絡します」——こうした口約束のまま進んでいる取引に、心当たりはないでしょうか。2026年9月、公正取引委員会は日本郵便株式会社に対し、フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス法)に基づく勧告を行いました。大手企業であっても「取引条件を明示していなかった」「支払期日を決めていなかった」ことが違反として扱われた事例です。

この記事では、公正取引委員会の公表内容を整理し、受注するフリーランス側が見積・契約・請求書の段階で確認しておきたいことをまとめます。特定の企業を評価する意図はなく、公表された事実と制度のポイントを一般的な情報として紹介します。

勧告の内容:何が違反とされたか

公正取引委員会が2026年(令和8年)9月2日に公表した勧告の概要は次のとおりです(出典: 公正取引委員会 報道発表)。

  • 対象: 日本郵便株式会社(研修の実施、郵便物等の配達等の業務委託)
  • 対象期間: 令和6年11月1日から令和7年6月30日まで
  • 違反①(取引条件の明示義務・第3条第1項) : 特定受託事業者167名に業務委託をした際、直ちに明示事項の全部または一部を、書面または電磁的方法で明示しなかった
  • 違反②(期日における報酬支払義務・第4条第5項) : 特定受託事業者140名に対し、報酬の支払期日を定めず、給付を受領した日(役務の提供を受けた日)までに報酬を支払わなかった
  • 求められた措置: 今後、業務委託をした場合は直ちに明示事項を書面または電磁的方法で明示すること、定められた支払期日までに報酬を支払うこと

公正取引委員会の公表事例ページによると、令和8年の勧告はこれで14件目です(2026年9月2日時点)。直前の8月26日にも別の事業者への勧告が公表されており、勧告は継続して出ています。

「支払期日を決めていない」がなぜ問題になるのか

フリーランス法では、報酬の支払期日について次のように定められています(出典: 公正取引委員会 フリーランス法特設サイト)。

  • 支払期日は、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内の、できる限り短い期間内で定める
  • 定めた支払期日までに、報酬を支払う
  • 請求書が出されていなくても、定めた支払期日は変わらない

つまり、「いつ払うか」を決めていない状態は、それ自体が問題になります。さらに、特設サイトでは「『まで』『以内』という記載は、いつが支払期日なのか具体的な日を特定できないため、支払期日を定めているとは認められません」と案内されています。「納品後30日以内」ではなく、「毎月末日締め、翌月25日払い」のように、日付が特定できる形で書く必要があります。

取引条件の明示についても、直ちに書面またはメール・SNSのメッセージなどの電磁的方法で行う必要があり、口頭だけの伝達は認められていません。明示が必要な事項には、取引の当事者の名称、業務委託をした日、業務の内容、納品期日や作業期日、報酬の額と支払期日などが含まれます。

フリーランス側が確認しておきたい3つのこと

勧告や指導は発注側に向けた措置で、フリーランスに新たな義務が課されるわけではありません。ただ、トラブルを防ぐために、受注側でも次の3点は手元で確認しておけます。

1. 見積・発注書の段階で、報酬額と支払期日が書かれているか

「報酬は別途」「納品後に連絡」のままになっていないかを確認します。書かれていなければ、「お支払いの締め日と支払日を、メールで確認させてください」と一言添えるだけでも、条件を残すきっかけになります。

2. 支払期日が「日付が特定できる形」になっているか

「翌月末まで」「30日以内」といった書き方は、特設サイトの案内どおり、期日を定めたことにならない可能性があります。「翌月25日」のように、具体的な日が分かる形にそろえておくと、双方の認識がずれにくくなります。

3. 請求書にも支払期日を明記しているか

請求書がなくても発注側の支払義務はなくなりませんが、請求書に「お支払期日」を書いておくと、契約時に決めた条件との突き合わせがしやすくなります。入金が期日を過ぎたときも、「契約書の第○条、○月○日払い」と具体的に伝えられます。

見積・契約・請求書の条件をそろえておく

取引条件は、見積書・契約書・請求書のそれぞれで書く場面があります。書類ごとに別々に作っていると、金額や支払期日の記載がずれて、あとから「どの条件が正なのか」が曖昧になりがちです。

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公式情報

※本記事はCrewbookが提供する情報です。自社サービスの紹介を含みます。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の判断は弁護士や所轄の専門機関にご確認ください。掲載している内容は2026年10月22日時点の公正取引委員会の公表情報に基づくもので、今後の法改正や運用の変更により変わることがあります。

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